テレワークという変化を未来に生かす

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私たちは、2度目の自粛ゴールデンウィークを迎えました。
前回の緊急事態宣言による施策で、新型コロナは終息に向かうと信じたいところでしたが、変異株の出現により、期待が大きく裏切られることとなりました。最初の緊急事態宣言から1年以上が経過し、この間に誰もが予想すらできないほどに働き方が変化しました。私たちの働き方の変化はどこに向かっていくのでしょうか。

働き方の変化、それが向かう先は

3度目の緊急事態宣言は、東京オリンピックが7月に迫っていることもあり、最初と同様、それ以上を求められます。酒類やカラオケを提供する店は休業要請、百貨店などの大型商業施設も一部を除き休業要請、スポーツなど大型イベントは原則無観客など、戻りつつあった日常がまた遠ざかって行きます。
教育はどうかというと、今までは大学だけがオンライン授業でしたが、今回は高校・中学、そして小学校でもオンラインが始まる可能性があります。この1年でオンラインの為のインフラが整いました。
働き方も同様です。会社の中には人が戻りつつありましたが、2度目の緊急事態宣言以上の密を避ける働き方、すなわちテレワークが求められるでしょう。
実際のところはどうだったのか・・、首都圏や関西圏を中心にテレワークが推進され、会社に行かなくても仕事が出来ることが実証されました。それに対して、地方都市ではほとんど出来ていないのが現状ではないでしょか。
私が所属している会社はシステム商品を提案、販売をする会社なので、コロナ以前に会社の外でも仕事が出来る環境がありました。しかしその状況でも、出来ているという感覚はあまりありませんでした。但し、地方の中小企業はテレワークが出来る環境から構築をする必要があります。現状は待ったなしです。コロナはワクチンの接種が終わるまで終息しないでしょう。少しでも感染を抑えるには、今まで以上のテレワークを求められることになります。

テレワークは働く場所の変化だけではない

改めて問います。テレワークによって、働き方はどう変わるのか?
働く場所が会社から自宅とそれに準ずる場所に変わります。しかしそれだけではありません。私たちは、単なる場所の変化のみにとどまらず、主体的な働き方に転換することをも同時に求められています。
なぜなら、仕事を始める、終えるタイミングも自分次第です。例え仕事をさぼっていても、分かりません。そんななかで仕事の進捗管理を主体的にやらざるを得ない状況になります。
それゆえに時間に対する成果で問われることになるのではないでしょうか。
課題になってくるのが、コニュニケーションの取り方です。
私自身が最近強く感じていることがあります。メールに頼りすぎていることはないのか。
会社の情報をクラウド型のプラットフォームで一元管理をすると顧客対応や決裁の情報がすべてメールで連絡されます。
中間管理職のマネージャーになると一日で200通以上のメールはあたりまえです。さらにコロナ禍での報告・連絡・相談がメールで発信されると異常な数のメールがやりとりされることになります。これでは本当に重要なメールを見落としてしまいます。
そのため、メールを補完するツールとして、マイクロソフトのTeamsなどのビジネスチャットを活用するケースが増えました。今は年齢を問わずにSNSで連絡を取ること慣れています。気楽にリアルタイムで連絡・報告・相談ができます。また、スタンプ機能を有効に活用すれば、リアルな会話無しでも、文字情報にはのせにくい感情の部分も補ってくれます。

テレワークをどう活かすか

テレワークの急速な普及を受けて、私たちはどう変化すればいいのか。
幅広い年代層でコロナワクチンの接種が完了までには、少なくとも今年いっぱいかかるかもしれません。確信は出来ませんが、日本経済は昨年以上の打撃を受ける可能性があり、私たちはそのための準備をする必要があります。
今こそ、テレワークを活用して更に何ができるのか、という発想に切り替える時ではないでしょうか。個人の目線で考えると、例えば、通勤に1時間かかっていた方は、往復で2時間を自分のものにすることができます。1週間(実働の5日)で10時間が創出できるのです。
ここで1時間をどう使うと未来に繋がるか、という発想に切り替えましょう。

例えば就業時間内に集中して仕事をすることにより、定時に仕事を切り上げます。そうすれば、夕食後に今までなかった時間が生まれます。
人生100年時代を見据えて、自分のために時間を使う、という意識を持ってはどうでしょうか。
ミドルエイジ以上の方も、これからのキャリアを自分で育てるという発想を持てば、パラレルキャリアの準備を始める手段は沢山あります。
その第一歩をご紹介します。
① 本を活用したインプット
これまでやってきた分野の深堀や、新しい分野の探索をするという視点で本を選びインプットすることをおすすめします。
② オンラインセミナー参加によるネットワーク構築
終業後、参加できるものが多くあります。
学びだけでなく交流会がついていて、その分野での繋がりを作ることができるものもあります。その分野での繋がりを拡げていきましょう。
③ 資格取得
興味のある分野が明確であれば、資格取得の勉強をすることも有効です。体系的な知識を習得することは、将来のキャリアの展開への足掛かりにもなります。

テレワークによる変化は、自らの働き方のスタイルが変わるという影響にとどまらず、これを主体的にとらえることで、今後に向けた方向性を見つめなおし、新たな自分を形成していくきっかけにもできます。変化をチャンスと捉え未来につなげる時間の使い方を意識していきましょう。

松井 文男

大学卒業後、36年間システム専門商社に勤務。
国家資格キャリアコンサルタント

営業、総務、業務と幅広い経験を生かしたキャリアコンサルタントを目指している。

Twitter https://twitter.com/warm53hykkfm

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