副業がうまくいく人の特徴とは

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昨今、「副業」というキーワードに注目が集まっています。

政府は働き方改革を推進する中で、2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表しました。
産業界では、大手企業が副業を解禁、推進する流れが進んでいます。
働く人にとっては、コロナパンデミックによるテレワークの推進等で通勤時間は浮いたという話も聞かれます。

こうした、働く環境の急激な変化をうけて、「副業」に追い風が吹いています。
私もキャリアコンサルタントという仕事柄、「副業」に関する相談や面談が大変多くなってきていると実感しています。

今回はそんな相談を受ける中で感じている、「副業」をする際に大切なことを書いていきたいと思います。

副業がうまくいく人の特徴


私はキャリアコンサルタントとして、日々働く人たちのキャリア相談を受けています。

最近では、「副業をやりたい」「副業を始めるのはどうしたら良いのか?」という相談から、実際に「副業」をしている方からの相談を受けるようになってきました。

その中で気づいたことは、副業がうまくいく人と、うまくいかない人がいるということです。
具体的に、副業がうまくいっている人は、副業先と継続的な関係性を構築しながら、仕事をしている印象があります。

それだけでなく以下のような繋がりが生み出されることさえあります。

・副業先が新たな副業先を紹介してくれた
・地方の副業先とつながり、その地域に興味を持ち、地域コミュニティにも参加するようになった

副業を通して、さらに新しい繋がりや、地域との関係人口にまで発展していました。

あなたにとっては「副」業ですか?「複」業ですか?


うまくいく人は目的を明確に持って副業に取り組んでいると感じています。
そして、その人たちと話すと、以下のように自分自身のキャリアにどう副業を位置づけるのかを考えています。

・「個人として経験やスキルが活かせるかを確かめたい」
・「今後独立を考えており、その準備のために経験を積んでいきたい」
・「リタイヤ後の自分の可能性を広げておきたい」

つまり、副業という機会を活かして自分の可能性を広げているのです。

逆にうまくいかない人は、「時間が空いているから」と副業の目的があいまいなまま取り組む傾向があり、副業を「副」(サブ)の業務という捉え方をしているかもしれません。

副業の経験を自らのキャリアに活かそうと考える場合には、本業か副業かという観点でなく、自分にとっての副業の意味を明確にすることが大事です。

つまり「副」業ではなく、「複」業と考えることがポイントなのではないでしょうか。

「複業」をすることで変化に対応できるようになる?


もう一つうまくいっている人の特徴としては、業務そのものだけではなく、副業先の課題感や環境など、目線を合わせて業務に携わるようなイメージで仕事をしていることです。

実際に、ある地方の商店で情報発信のアドバイスに関わっている方に話を聞いたことがありました。
その方は大手広告代理店で働いている方で、事業戦略に携わり、日々数百万円から数千万円の予算を使い、広報やPRなどを行っている方でした。

しかし、副業で携わっている地方の商店では、SNSのアカウント取得の方法から、チラシの作り方と、その実情にあわせた関わりをしていました。

正直なところ副業を始めた当初はそうした初歩的なことを仕事にすることについて疑問を感じたこともあったようですが、副業先が望むかかわりを続けることで、一緒に成長している感覚になったということです。

本業では役職も上がりマネジメント中心の業務を行っていた方でしたが、副業では実際に自分で作業をすることで新たな気づきも生まれたとおっしゃっていました。

そして、そんな支援がきっかけで、周辺のお店からもお声がかかり、商店街全体のお手伝いをすることにつながったということです。
経験やスキルを押し付けることなく、臨機応変な対応こそが成功につながっているようです。

「副業」を始める前に必要なこと


このように副業に取り組む人たちに話を聞く中で分かったことは、
自分自身が活かせる軸やキャリア戦略上の目標を持ちながら、副業先とかかわることで、良いサイクルが生まれているということです。

皆さんは、「プロティアン・キャリア」をご存知でしょうか。
変化の激しい、不確実な社会を生き抜くために必要な実践論であり、自分の軸を持ち変幻自在に生きる処方箋のことで、昨今注目を浴びているキャリアの考え方です。

このプロティアン・キャリアには、アイデンティティとアダプタビリティという要素があります。
アイデンティティは、「自己の欲求や動機、価値観、興味、能力など明確な自己認識があること」。
アダプタビリティは、「変化する環境に対して反応学習、探索と統合力、そして状況に適応させようとする意欲」です。

自分の経験やスキル、そしてやりたいことを軸としながらも、副業先の状況に応じて求められている成果を出すこと。このプロティアン思考がまさに、副業を成功させている人たちが実践していることでした。

「副業」を始めたいけど何から始めれば良いのか分からない方、まずは「プロティアン・キャリア」を学び、自らのキャリア戦略を明確にした上で、「複業」に取り組むことをお勧めします。

板橋 理

板橋 理

プロティアンキャリア協会認定ファシリテーター
キャリアコンサルティング技能士2級
国家資格キャリアコンサルタント

フリーター、公務員、民間企業での営業・人事などを経験。現在は福島県内企業と副業者を結ぶプロジェクトに参画中。またキャリアコンサルタントとして就職支援、セミナーなどを実施し、多くの人が自分らしく働ける福島県を目指し奮闘中。

Twitter https://twitter.com/bashiou
Note  https://note.com/bancyao

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プロティアン・キャリア協会からのお知らせ