読書を生きる力に繋げる

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私と本との出会いは大学生の時に本屋でアルバイトをしたことから始まりました。
本が好きというよりも、本屋へ行くのが好きという理由でこのアルバイトを選びました。
この頃ほとんど本は読んでいませんでした。
しかし今は、月に3冊は読んでいます。あなたは、月にどれくらい本を読みますか?

日本人は本を読まない!?

文化庁の「国語に関する世論調査」平成30年によると日本人の読書の傾向は次の通りです。
読まない:47.3%
・1~2冊:37.6%
・3~4冊:8.6%
・5~6冊:3.2%
・7冊以上:3.2%
約半数が読まないという結果です。また、世界的に見ても、日本人の読書量はとても低い水準にあります。
電車に乗るとほとんどの人はスマートフォンを見つめています。見ているものは様々でしょう。ニュース、SNS、ゲームなど。SNSからの情報収集は若年層では今や当たり前になっています。しかしもしかしたら、興味に応じて自動的に表示されるスマートフォンでの情報取集は、情報の幅が限定されているかもしれません。

本を読むことの意義・目的

本を読むことの意義・目的に立ち返ってみましょう。本を読むことは本来、楽しいものです。司馬遼太郎の歴史小説にロマンを、沢木耕太郎のノン・フィクションに共感をした方は少なくないと思います。社会人になると仕事の参考にするために、ビジネス書や自己啓発本を読む機会が多くなります。仕事の悩みの解消や、成果を上げるヒントを探すために本を手に取った経験は皆さんにもあることでしょう。

さてここで、自分のキャリアの資本にするために本を読む、という目的について皆さんと考えてみたいと思います。
リンダ・グラットンの「ライフシフト」が多く読まれたように、人生100年時代の人生戦略が大きく注目をされ、働き方や生き方の転換といううねりが押し寄せています。実際、メンバーシップ型からジョブ型への働き方の変化を日々のニュースで多く目にするようにもなりました。
私はキャリアコンサルタントの資格取得をきっかけに、本を読む目的をキャリア資本蓄積として捉えるようになりました。養成講座では参考書の紹介が多くあり、資格取得後のスキルアップ勉強会やセミナーを通じてさらに多くの本に出会いました。それらは全て自分の資産となっています。こうした形での読書経験を通じて、本はキャリアに繋がる学びの幅を広げるために非常に有効だと感じています。

本を読むことと生きること

東京商工リサーチによると、2018年に倒産した国内企業の平均寿命は、前年より0.4年伸びて23.9年となっています。一つの会社で雇用を終えることは不可能な社会が、目前に迫っています。そうした時代で生き残るために誰もが準備をする必要があります。
今までは会社が指示した役割を全うすることで、社内の地位も給料も上がっていく時代でしたが、そうしたキャリアの積み上げ方が崩れ始めています。
「人生100年時代に私たちが求められるのは、キャリアを組織に預けるのではなく、自分でデザインをしていくことです。」
(引用:田中研之輔「プロティアン」)
つまり、働く個人は自分でキャリアの舵を取れる人材になることが必要です。
まずは自問自答をしてみましょう。
・20代から30代半ばまでの方へ
多様な仕事、職種にチャレンジ出来ていますか。
・30代半ばから40代までの方へ
今までやった仕事、職種のなかで、一番あなたが得意なものは何でしたか。また、ワクワクした仕事は何でしたか。
・50代以上は60歳定年以降を見据えている方へ
もしかしたら組織を離れても働く今後を見据えて、今どういう働き方をしたらよいでしょうか。
自問自答をするなかで、興味のあるもの、もっと見識を深めたいものが出てくるはずです。
その分野の本を読んでみましょう。

本の選び方のコツ

良い本と出合うお薦めの方法のひとつはSNSの活用です。TwitterやFacebookで検索をしましょう。そうすると同じような興味をもっている内容を発信している投稿の中で、本が紹介されていることが多くあります。それをフォローしておけば、新しい情報が入ってきます。
更に、そこで見つけた本をアマゾンで検索すれば関連情報が多く出てきます。そこからは芋づる式に次々と読みたい本が出てくるでしょう。
本を読むことを進めれば進めるほど、自ずと知識が深まり興味の幅が拡がり、それはあなたの資本となっていきます。
最後に、キャリアの開発には年齢は関係ありません。いつからでも一歩踏み出すことが出来ます。自分の行動を変えるきっかけとなり得る身近な手段として、読書をお勧めします。
本を読むことで得た、知識(資本)をもとに新たな一歩を踏み出しましょう。

松井 文男

大学卒業後、36年間システム専門商社に勤務。
国家資格キャリアコンサルタント

営業、総務、業務と幅広い経験を生かしたキャリアコンサルタントを目指している。

Twitter https://twitter.com/warm53hykkfm

プロティアン・キャリア協会からのお知らせ