SDGsとキャリアコンサルタント①

そもそもSDGsってなに?

SGDsは、国連が決めた2030年までに世界の人々が達成しなければならない17の目標です。
2015年に、国連本部「持続可能な開発サミット」で採択されました。SDGsとは、Sustainable Development Goalsの個々の頭文字を取って通称SDGsと呼ばれています。SDGsを紐解くと、「経済・環境・社会」の3つの側面から、包括的に課題を解決するための方策を示したものです。
*具体的な解決策は以下のように定められています。
① 世界共通で最優先で解決すべき課題を抽出
② 「望ましい将来像」を明示
③ 17のゴール(達成目標)と目標を具体化する169のターゲット(下位目標)、さらに、進捗状況をモニタリングするための232のインジケーター(指標)を設定
④「2030年を達成年度」
*引用(SGDsビジネス戦略より)

SDGsとキャリアコンサルタントの私の出会い

ここからは、私が、SDGsやキャリアコンサルタントを知るきっかけになったお話を少しします。
私は、18歳以降社会のインフラ整備をテーマに人材、運送系の会社でコンサル・営業・人事総務労務関連の仕事に携わってきました。私は、働きやすい職場を作る・また従業員が働きやすい受注を心掛けるということを大事に日々仕事をしていました。2017年頃、受注に変化がありました。企業様から「働き方改革として労働時間を削減することを優先したい。そのための業務プロセスの見直しの取り組みをしている。今後は、そうした新しい業務プロセスに対応してくれる運送会社でないと取引が難しい」と、言われることが増えてきたのです。
働き方改革を調べていくうちに、「社会の新しいうねり」が始まってきているように感じ、
コンサル営業スキルを磨きなおそうと決意しました。様々なセミナーなどに参加する中で、働き方改革のセミナーで「キャリアコンサルタント」の方と出会い、「キャリアコンサルタント」という仕事を初めて知りました。その方のお話から、働き方改革の課題に通じる突破口を感じました。
そのセミナーでは、
私が参加したセミナーは、一方通行のセミナーとは違い、キャリア理論に加えてワークショップ・ケーススタディなどが織り交ぜられたセミナーでした。こうしたセミナーであれば、効率を上げるためのセミナー以上に、イキイキ働くということについてよりイメージがつき、行動に移しやすいのではと感じました。
働き方改革に貢献するために、キャリアコンサルタントの知見を加えたい、そうすることが、社会貢献に繋げたい、というビジョンがおぼろげながら見え始めました。そして、キャリアコンサルタントの資格を取得し、今に至っています。

SDGsとキャリアコンサルタントの繋がりについて

私たちは、地球という家の中で生活をしています。住居を確保し、人々との交流を交え生きています。生きていく上で社会環境や生活環境に強く依存し影響を受けています。ごく普通な話ですが、当たり前すぎて意識はしていない方が多いのではないでしょうか?それは、“自分には関係がないもの”と捉えられていることが一般的です。しかし将来の世界を引っ張る今の子どもたちが、将来的に安心して暮らせるようにするためには、今から様々ん問題について考え、一人でも多くの人が自分ごととして取り組んでいくことが大切です。SDGsの人間らしい働き方や能力開発、雇用の促進や採用(目標8)は、キャリアコンサルタントが貢献できる指標ではないかと考えます。
SDGsは、様々な現在の問題を「自分ごと」と捉え「未来志向」で取り組んでいくことであり、ノルマではなく「自発的な行動と貢献」です。その結果として、今まで達成できなかったことができるようになり、私たちの生活が改善されていきます。

日本におけるSDGs目標8と実例から見るキャリアコンサルタントとの必要性

日本のSDGsの課題で目標8をもう少し見ていきましょう!
目標8:働きがいも経済成長も

「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがい
のある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」

この内容を169のターゲットと232の指標の一部キャリアコンサルタントが関連する
項目を著者の視点で抜粋します。
※169のターゲットは8.〇と表記
※232の指標は、8.〇.〇と表記
◇169のターゲットと232の指標
・8.5  :2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。
・8.5.2:完全失業率
上記8.5や8.5.2は、キャリアコンサルタントとともに関連性があると思います。その中でも失業率は、一番イメージしやすいかと思います。
ここ数年間の失業率は下記の内容です。
・2018年度 2.4%
・2019年度 2.4%
・2020年度 2.8%
(出典:総務省統計局)https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
コロナ前の予測では、2035年までに完全失業率は、1.1%となる見込みでしたが、コロナ禍で状況は変化し、倒産数が増えています。コロナとは関係なく、立場が弱い非正規雇用の方が突然雇い止めになるケースなどもあります。こうした環境要因で、仕事を失った人達や、転職を余儀なくなれた人達に対しても、私たちキャリアコンサルタントは支援をすることができます。
SDGsは、いかに「自分ごと」として捉えられるかが重要です。キャリアコンサルタントは個人の支援に留まらず、組織の働きやすい環)の整備にも関わります。

私が相談を受ける内容のひとつとして、「仕事において焦りや行き詰まり感を感じるがどうしたらよいか」というものがあります。そうしたケースでは、このままではいけないと思うものの、未来についての考え方が分からない、悩んでいるものの行動はできないでいるという状態に陥っていることがあります。こうした場合の一つの方法として、私は、自分の時間を可視化することをご提案しています。やりたいこと、やるべきことを整理し、どのくらいの時間をかけたいのか、かけるべきなのか、それはなぜなのかを客観視する。仕事の時間だけでなく私生活も含めた全体をそのように見直すことで、徐々に気持ちに余裕が生まれ、仕事上では何が課題か、整理することができるようになっていきます。

キャリアについて自ら考える方法を知り、自ら考えることができる個人が増えれば、人生の充実感を感じる人も増えていきます。SDGsの働きがいに繋がるキャリア自律支援の必要性について、今後も情報発信して参ります。

小林 薫

小林 薫

国家資格キャリアコンサルタント
オフィスりふれくしょん(個人事業)

中小企業向け人財戦略・人事働き方支援サービス/キャリアの知見から、すべての人に「生きる」をテーマに未来への一歩を踏み出すきっかけを提供
大手人材派遣会社・大手物流会社からキャリアコンサルタントへ転身

Twitter https://twitter.com/cckobayashi_hac

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