SNSを活用した自己ブランディングと企業PR戦略について

カテゴリ:

null
こんにちは。株式会社ニットの小澤美佳です。

私が働いている株式会社ニットは「未来を自分で選択できる社会をつくる」をビジョンに掲げ、創業時からフルリモートを前提としたマネジメントを実施しており、世界33か国・400名のリモートワーカーが在籍しています。

広報は経営であり、リアルな声を真っ先に届ける先駆者

私はリクルートで営業畑を12年経験し、ニットに入社して2020年の7月に広報へ異動しました。まだ駆け出しの広報パーソンです。「広報を通じて、『働く』の世界を変えたい」というのが、私の大きな夢です。その先に、お客様への貢献・還元を実現し、社内メンバーが誇りに思えるような会社にしたい、というのが確固たる想いです。

SNSが普及する中、人事、特に採用担当者の方は企業アカウントなどを作り、採用活動・企業PRを行っている方も多いのではないでしょうか。近年、世の中の人々は「安心・安全」な情報よりも「本音」へ、表層的な「イメージ」よりも「リアル」な感触を求めるようになってきています。今後より一層SNSは企業としての本音を伝えることができる重要なツールになってくると思っています。

そのためにはまず「自分が広報を楽しむこと」「自分が会社のことを深く知り、発信していくこと」を主に意識しています。リアルな声を届けるために、会社の組織の中に自分で飛び込み、巻きこまれていくのが私
流の広報<行動・オンラインイベントを定期的に開催・テレワークで働くメンバーの多様な生き方・働き方を紹介>です。

・テレワークのノウハウをテーマに複数のメディアで執筆をし、認知度アップまずはコーポレートブランディングの目的を明確に

SNSを活用することは決まっていても、「そもそもコーポレートブランディングって何をしたらよいのだろう」と戸惑われている方も多いと思います。担当として何を求められているか、目的を明確にすることが大切です。サービスPRであれば、マーケティングや営業との連携が必要ですし、採用PR・インナーブランディングであれば人事との連携が必要となります。そしてそれらを包括するコーポレートブランディングあれば、社長や経営企画との連携が必要です。
ベンチャー企業の広報担当者は、マーケティング兼務、採用兼務、社長秘書兼務など、何かしらの兼務が発生していることも多いと思います。
まずは企業ブランディングのために何をすべきか、そしてどの部署と連携をとるべきかを明確にしましょう。

コーポレートブランディングは「軸」を決め、期間ごとの目標を

上記の通り、コーポレートブランディングの目的を決めたら次は短期・中期で目標を定め、具体的な行動に移していきます。
短期・中期の目標を立てる際は共通の軸を持つことが大切です。世の中の情勢に併せて変化する可能性はありますが、大きな軸からぶれないようにしましょう。
当社の目標を例に具体的な目標の立て方や行動指針をみていきましょう。

①短期ブランディング
<目標>
テレワークの先駆者企業=ニット、新しい働き方実践企業=ニット
というイメージの浸透
<行動>
・オンラインイベントを定期的に開催
・テレワークで働くメンバーの多様な生き方・働き方を紹介
・テレワークのノウハウをテーマに複数のメディアで執筆をし、認知度アップ
など
<結果>
令和2年度「総務省テレワーク先駆者百選」を受賞

②中長期ブランディング
<目標>
人生の幸せを創出する企業=ニット
ニットのビジョン「未来を自分で選択できる社会をつくる」
テレワークの概念を広げていくことを目指しているのではなく、人が、自分の人生を自分らしく選択していくことで、幸せになってほしい、というのが、ニットの究極の目指す世界。
<行動>
上記の目標の抽象度は高いが、そのビジョン実現のためであれば、事業や組織もどんどん柔軟に変化していくことも厭わない。
この考え方をベースに置きながら、プレスリリースをはじめ、メディアに向けて発信。

また、コーポレートブランディングだけでなく、広報として、絶対に大事にしたいと思っているのは、インナーブランディングです。

インナーブランディング
<目標>
ニットのメンバーが広報を通じて、誇れる会社に。
「お母さん、新聞に載ったよ!」と家族や友人に自慢できることを目指したい。
<行動>
・ニットが色んなメディアに取り上げてもらうこと。
・オンラインイベントやメディアなどを通して、メンバーが露出されていくこと
その人の実績になったり、「この会社で働いていてよかった」と誇りに思ってもらえることを心掛けています。対外への発信(理想)と対内の反応(現実)は、出来る限り、乖離のないように、社内を変えていくことにも、広報目線で意識しています。

こうした取り組みの積み重ねでサービスブランディングや採用ブランディングへ繋がっていきます。さらには企業様にも知れ渡って、信頼に繋がったり、「ニットで働きたい!」と思ってくれる人が増えていくのだと信じています。

世の中の流れをキャッチし、自社の情報を伝えていく

ではどういったことを具体的に発信していけばよいのか見ていきましょう。「●●と言えば、ニット」と第一想起してもらえるような状態を確立するためには、時流に乗った情報を出しつつも、何度も繰り返し発信しながら、段階的に認知度を上げていくことが大切です。

また、発信するときには、ファンになってもらえるような言い回しや心遣いも大切です。ただ企業のPRを事務的にするのではなく、世の中の人が今何を求めているかを考えて発信すると良いでしょう。

以下はあくまでも自論ですが、企業認知とSNSとの親和性です。下記の図のようにベンチャーこそTwitterを活用していくべきだと私は考えています。

BtoCは、消費者にとっても身近に感じやすく、その製品やサービスが素晴らしければ、どんどん認知度は広がっていきますよね。そのため、公式の企業アカウントでも問題ないと思います。
しかしベンチャー、特に、BtoBにおいては、認知度を上げるのは至難の業です。したがって、BtoB・ベンチャーの場合は、個人アカウント「小澤美佳」で認知度を上げながら、ファンになっていただける人たちを増やしていき、その「小澤美佳」を通じて、さらに企業の認知を上げていくということが大事です。

SNSを活用した自己ブランディングの流れ

私が勤めるニットでは、冒頭でお伝えした通り、テレワークを5年前から実施しており、現在、400人全員がフルリモートで働いています。コロナの影響もあり、テレワークのノウハウを伝えていくなら今だという気持ちで、その情報を最優先で出していきました。
フォロワー数に応じて、ツイート内容を下記のように変化させ、会社の情報を伝えつつも自分の経験に基づくポジティブな言葉やテレワークノウハウを伝えています。

フォロワー数に応じたツイート内容の変化
◆1万人まで「コザワ=テレワーク専門家」を確立
テレワークノウハウ:40%
HRノウハウ(組織運営・採用・育成など):30%
元気になるポジティブな言葉:20%
会社の情報:10%
◆1万人を超えたら「コザワ=ニット広報」へチェンジ
会社の情報(テレワーク・HRノウハウ):60%
元気になるポジティブな言葉:30%
プライベート感:10%

◆「ニット=多様で柔軟な働き方・組織」の投稿
他社では珍しいほどのエッジの立った特徴を発信しています。

https://twitter.com/mica823/status/1289425232202215425
https://twitter.com/mica823/status/1289369033880477699
◆「小澤美佳=ニット広報」の投稿
・左側:第三者評価に感謝の気持ちを発信
・右側:「副業」でもエッジの立った事例を発信

https://twitter.com/mica823/status/1292960969375641600
https://twitter.com/mica823/status/1293468865016418304
また、ブランディングの流れは、下記のようにしていました。おそらく、はじめは「ニット」という社名や、小澤の会社のことを知っている人は、まずいなかったと思います。むしろ、「元リクルート」という印象の方が強かったかもしれません。
はじめは「会社」を認知してもらうのではなく、「小澤美佳」という私自身を知ってもらう、ということに注力していました。

そこから派生してテレワークのノウハウやコンサルティング、オンラインイベントの相談などに繋げていきました。実際、Twitter経由での取材依頼やサービスの相談、イベントの実現などは多くありました。

発信によって変わった私の世界観

まず私のことを知ってもらって、ファンになってくださる人が増えました。これから先、【個】で立っていく時代を考えた時に、これは大きな財産です。
先日、Twitterで採用告知をしてみたところ、沢山の応募をいただきました。「元々、ニットに興味がありました!」と言ってもらえることも多く、SNSでの発信が活かされていることを実感しています。
また、ニットという【会社】に所属する身として、この会社が本当に新しい働き方・生き方を創っていける会社だと信じているので、それらを創りながら、発信しながら推進することで、ニットのファンの人数も増えたことは大変嬉しく思います。
これからも、発信を通じて、まだ出会ったことがない方々に、言葉を届け、勇気づけたり、背中を押したり、明るい人生の一歩を踏み出すきっかけになったり、ということに貢献していきたいです。

小澤 美佳

小澤 美佳

2008年に株式会社リクルート入社。 中途採用領域の代理店営業、営業マネージャーを経て、 リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。 採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。 2018年 中米ベリーズへ移住し、現地で観光業の会社を起業。
2019年に株式会社ニットに入社し、カスタマーサクセス→営業を経て、 現在、広報に従事する傍ら、 オンラインでのセミナー講師やイベントのファシリテーターを実施。 副業で嘉悦大学の大学講師。キャリアや就職などに関する授業を担当。

Twitter https://twitter.com/mica823
Note https://note.com/micakozawa

プロティアン・キャリア協会からのお知らせ